負荷試験について
2002年から、消防法により30%以上の負荷をかけて点検(試験)をすることになっていた。(年1回の消防設備点検の項目)しかし実際には負荷試験を実施する場合「現場の設備だけでは発電機出力の30%の負荷を確保しにくい」「現場の設備によっては一時的な停電をさせられないものがある」「負荷試験作業が大変で点検価格が高価であった」などの諸問題があり、実施が困難な状況がありました。そのため各消防署において負荷試験が未実施であっても点検報告書の受理をしていました。
平成29年通達より消防法により設置されている「自家発電機設備」については、年1回出力の30%以上の負荷をかけた作動点検を行うことが指導強化されました。
平成30年6月1日に消防法の改正告示が公布され、運転性能の維持に係る予防的な保全策を、 毎年実施することを条件に負荷運転(疑似負荷)を6年に1回とする点検方式が認められました。
負荷試験とは
非常用発電機を動かし、実際に負荷を投入して性能確認をする試験です。
試験の方法は①実負荷試験②模擬負荷試験の2種類あります。
①実負荷試験
非常用発電機を動かし、実際に接続されている設備(消火用ポンプ・スプリンクラー・非常電源など)を稼働させデータを取得する試験。
(メリット)
- 実際の設備を稼働させるので、実際の非常時の状態が確認できる。
(デメリット)
- 建物全体の停電が必要。
- 仕様により30%の負荷がかからない(30%以下で設計されているケースがある)
- 接続消防設備等での使用状況で、安定したデータが取れない。
②模擬負荷試験
模擬負荷装置と非常用発電機を接続し、発電機を始動。負荷装置の負荷にてデータを取得する試験。
(メリット)
- 模擬負荷装置にて負荷を設定するため、安定したデータが取れる。
- 建物の停電が不要。
(デメリット)
- 実際の設備を稼働させていないので、実際の非常時での状態を確認することができない。
内部監察とは
負荷試験の行うかわりに内部監察を選択することができるようになりました。
予防保全策とは
毎年行わなければならない負荷試験(または内部監察)を予防保全策をおこなうことで、最長6年に1度にすることができるようになりました。